T-ALLを「知って治す」ブログ

T-ALLを「知って治す」

自身の病気「T細胞性急性リンパ性白血病」を調べ、理解し、治療と正面から向き合うことを目的とします。

白血病ざっくり解説と移植の実像

白血病って名前は聞いたことあるけど何?でもググるのはめんどい…という人向けの超ざっくり解説。

あと、移植に関してはイメージと全然違ってびっくりされるのではないでしょうか。


Q: 白血病ってどんな病気?

A: 一言で言えば、「血液のがん」です。

(https://ganclass.jp/kind/all/cause/より引用。手書き文字は筆者による)

血液は、骨髄という、骨の中にある組織で作られます。

骨髄には、「造血幹細胞」という細胞がいて、これが成長して、血球 (白血球とか赤血球とか血小板) になります。

造血幹細胞は、血球に成長するための設計図として、染色体や遺伝子を持っています。しかし、この設計図が何らかのきっかけ*1でダメージを負い、壊れてしまうことがあります。そうすると、おかしな細胞ができてしまいます。これが白血病細胞 (がん細胞) です。

白血病細胞は役に立たないばかりか、増えていくにつれ骨髄を満たして、正しい設計図を持ったほかの造血幹細胞の成長を邪魔します。その結果、正常な血球が減って、免疫力が下がったり、血を止める働きが弱くなったりします。

なお、造血幹細胞は、白血球・赤血球・血小板のどれにもなることができます。また、造血幹細胞の成長には複数のステップがあります。ですから、どの種類の血球の、どのステップに対する設計図が狂ったかによって、白血病にも多数の分類があります。

僕が患っている急性リンパ性白血病(ALL)は上の図のように、「リンパ芽球」と呼ばれる未熟な異常リンパ球が増殖するタイプの白血病です。

白血病の症状としては、体のだるさが続く、ぶつけた覚えがないのにあざができる、血が止まりにくいなどが挙げられますが、そういった自覚症状なしに血液検査などで偶然に発覚するケースも多々あります。僕の場合も、白血病に関連する別の病気(リンパ芽球性リンパ腫)のほうの自覚症状で白血病が見つかりました。 放置しておくと重篤感染症にかかったり、出血多量で命に関わります。

というと「自分も…?」と不安になるかもしれませんが、発症する割合は白血病全体で10万人に6.3人(0.0063%)です。献血等で確かめることができます。罹患者としても、ぜひ献血をお願いいたします。

数十年前は不治の病とされていましたが、血液科学の進歩は目覚ましく、特に若年者においては、近年飛躍的に生存率が高まっています。ドラマ等では不治の病とされていることが多いようですが、とうに昔の話です。


Q: 移植って何?手術なの?

A: いいえ。手術はしません。点滴して終わりです。

造血幹細胞 (見た目はただの血) を点滴して入れるだけです。もちろん麻酔もいりませんし、数時間で終わります。

移植にあたっては、ドナーさんのほうがずっと大変で、骨髄移植の場合だと、全身麻酔をして何日か入院して、造血幹細胞を採取します。

患者が大変なのは移植時ではなく移植前後です。

移植前には、自分のがん化した造血幹細胞を大量の抗がん剤で根絶やしにします。移植後は、他人(ドナーさん)の細胞を入れることによる拒絶反応のために、感染症・強い副作用・臓器不全等のリスクを伴います。

(もちろん、対症療法はいろいろあります)

移植の副作用・合併症 (https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/HSCT/hsct03.html より引用)

そのため、移植をしないで済むのであれば抗がん剤等の投薬だけで治す、という方針が一般にとられます。

*1:被曝が原因となることは知られているが、患者の大半は被曝歴はなく原因不明