生存率
あさってから抗がん剤が始まる。体調が悪くなってからこういう話題を出すと余計な心配をされそうなので、先手を打って公表しておく。みんな気になる話だと思うし。
もちろん、生存率なんて目安でしかない。医学はどんどん進歩して、治療も変わっていく。各患者の境遇や、受けた治療も細かく異なるだろう。
用語整理
生存率といってもいろいろある。本記事に出てくるものを挙げる。
- OS (overall survival; 全生存率)
- EFS (event-free survival; 無イベント生存率)
EFSにおける「イベント」というのは、がんの再発などを指す。
つまり、OSは「生きている確率」、EFSは「健康に生きている確率」と思ってくれればいい。
ALL-T11計画書(この記事を参照)には、先行する臨床試験の成果がいくつか挙げられている。
こちらは海外版。
いずれにせよ、小児プロトコルのため僕の年齢より試験対象者の年齢平均のが低いことと、T-ALLより予後の良いBCP-ALLがデータ中に多数含まれていることから、「20代前半のT-ALL」に絞った数値はここまで芳しくはないと思われる。
※2018年10月25日(木)追記:ALL-T11計画書 2.3.1.1によれば、T-ALLにおいて、年齢は生存率に対する有意因子ではないとのこと。
T-ALLはこと国内においては、BCP-ALLと同じプロトコルで治療されることがほとんどだったが、今回自分が受けているプロトコルはT-ALLに特化したものであるから、期待したい。
追記 (この記事を書くことにした動機)
昨日、「君の膵臓をたべたい」を読んだ。
小説の中で描かれる「死」と、自分に起こりうる「死」というのが、全く別の現象であるかのように思えて、今の今まで「死ぬこともある」という覚悟を持って過ごしてきたつもりでいたのに、それが嘘であることを簡単に暴かれてしまった気がした。すごく悔しかった。
今日も僕は「どうせ死なない」と思って生きている。いつか死を可能性の一つとして受け止められる日が来るのか、わからないけれど、そうあれたら嬉しいと思った。