T-ALLを「知って治す」ブログ

T-ALLを「知って治す」

自身の病気「T細胞性急性リンパ性白血病」を調べ、理解し、治療と正面から向き合うことを目的とします。

週報 - wk9 早期強化療法④

検査・治療

約1ヶ月ぶりに抗がん剤再開

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※ロイケリンの内服は既に4週間やりきっているので今回なし

  • 1/8 [day56+18] 退院
  • 1/15 [day56+25] 再入院
    • インフル検査
    • マルク
    • CV挿入
    • 心電図
    • RBC輸血
  • 1/16 [day56+26] RBC輸血

治療経過

  • 1/15-16 [day56+25〜56+26] の連続RBC輸血はRBCの造血回復が遅れてたせい

  • インフル流行ってるし、熱 *1下がるまでは隔離

    • 1/15-18 [day56+25〜56+28] 個室にいた
    • 結局、なんの感染症だったかは不明


  • マルクの結果、MFC*2でも白血病細胞は検出されず
    • 移植しない方針に決定*3
    • PCRを用いた精密な検査は、臨床試験ではないので今回行わない

体調

  • 睡眠:問題なし
  • 頭痛:なし
  • 吐気:1/23 [day59]に出てきて1/24 [day60]がピーク。1/25 [day61]はちょっと落ち着く
  • 食事:病院食とめて好き勝手に食べてた。吐き気強い時は麺類やサンドイッチにした
  • 味覚:正常
  • 便通:正常
  • その他
    • 1/15 [day56+25] 足がむくんでることに気づいた
      • 1週間で勝手に引いた

一時退院中の発熱について

  • 1/12 [day56+22] 20:30 頭痛い。熱38.4℃
  • 1/12 [day56+22] 21:30 実家近くの夜間緊急外来を受診
    • インフル検査:陰性
    • 血液検査・尿検査:(白血病由来以外で)所見なし
    • 胸部X線:肺炎なし
    • 薬の処方なし
  • 1/13-15 [day56+23〜56+25] 〜37.5℃の微熱が続く
  • 1/16 [day56+26]以降 平熱に戻る

雑記

  • 食べたいものを一時退院中にだいたい食べ尽くしたのは正解だった
    • 一回食べればしばらく未練はなくなる
  • まだ血球下がらないので「買い物の自由」を行使している
    • 来週月曜の抗がん剤が終われば、しばらく血球を下げる薬はないので、今回は扉外出禁にはならないかも?
  • ダイアリーをつけてたら、看護師さんが継続力を褒めてくれたけど、入院の身でなければ自分も3日でやめてる

  • 個室は最高だった…

    • 専用レンジ・専用シャワー・専用洗面台!広々空間!何より静か!
    • ビジネスホテルに泊まってるみたいで、旅行中の気分だった

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お知らせ

来週で早期強化療法が終わり、続けて強化療法に入ります。「早期強化療法まとめ」は来週投稿するのでお待ちください。

卒研発表のため、2月18日を含むどこかの日程で必ず一時退院します。今回こそは名古屋に行くよ!

*1:「 一時退院中の発熱について」参照

*2:multiparameter flow cytometry

*3:治療中に再び白血病細胞が増えたらこの限りではない

二度目の一時退院が終わって

今日、7泊8日の一時退院が終わり、病院に戻った。

一時退院中にやったこと。

大好物の家系ラーメンを食べに行った。

父と鍋を囲んだ。

母の手料理を味わった。

自分で料理を作って振舞った。

食べ物ばかりになってしまったが、それが日常だったから今さら否定しない。



とはいえ、それ以外のこともやった。


ロープウェイで金剛山に登った。

展望台で、景色と空気を独り占めした。雲の合間から降り注ぐ太陽光線を「エンジェルラダー」という。綺麗だった。

親友がドライブに連れていってくれた。中学校時代の懐かしの遊び場に行ったり、とか。 病院の中でも外でも、彼らは刺激とか、元気とか、思い出とか、いろんなものをくれる。

ただ一つ、微熱が出て、下宿先の名古屋に寄れなかった。これだけが心残りで、悔しくてたまらない。




この1週間、入院前のありふれた日々を過ごした。いつもよりちょっと贅沢ではあったけれど。

食べたいものを食べ、出かけたいところに出かける時間、家族と過ごす団欒のひとときでさえ、1分1秒が貴重だった。

単なる「日常」にここまで全力で取り組んだ1週間は、今までの人生になかったと思うし、病に冒されなければ、一生なかったかもしれないと思った。

二度目の一時退院決定

昨日の採血結果

  • WBC *1 = 2270
    • NEUT*2 = 990
  • 他の血球も増加傾向

だったので、今日から7泊8日(〜1/15)で一時退院します!待ちくたびれた。しかしこんなにギューンと上がるとは。

血球データは後ほど「早期強化療法まとめ」に載せます。

昨日のうちに全日の行動*3計画立てました。今回は実家にも帰ります。食事制限ない*4ので、好き勝手食べまくります。

1週間だけ「普通の人」になってきます!

*1:白血球数

*2:好中球数

*3:ほとんど食べ物だけど

*4:アルコールは肝機能下がってるからちょっとにしといてねって言われた

週報 - 早期強化療法インターバル②

検査・治療

抗がん剤 なし

  • day56+10 (12/31) RBC輸血
  • day56+12 (1/2) - day56+16 (1/6) G-CSF
    • 白血球を増やす薬
    • 早く退院したいから入れてもらった

治療経過

  • 血球が回復しねえ!!

    • 回復の兆候もない
    • 期待しては裏切られる日々
    • 早くしろ。早くしてくださいお願いします
  • 肝臓の値はいったん上がってまた下がってきた

    • 数値は、いずれ書く「早期強化療法まとめ」を参照

体調

基本的に問題ないから余計じれったい。悪いよりはよっぽどいいけど

  • 睡眠:普通
  • 頭痛:ない
  • 吐気:軽い。ここ数日はほぼない
  • 食事:たくさん
  • 味覚:普通
  • 便通:やや硬め。尻が切れたのは治った
  • その他
    • day56+15 (1/5) より腰痛
      • G-CSFの副作用と思われる
      • 看護師さんは「血球回復してるかもね」と言うけどもう信じない
      • 姿勢は 座>寝>立 の順で痛い
      • カロナールでおさまる

雑記

  • 「楽しみにしてたコンサートが台風で振替になったけど、振替日がいつになるか決まってなくてじれったい人」の気持ちがわかった
  • 退院の日数が決まらないのもまたじれったい。計画が立てられない
  • 病院食完食+カップ麺とか、バカみたいに食べてるが、体力回復もあれど、やけ食い的な面も絶対ある

お知らせ

早期強化療法インターバルの記事が2つできるとは思ってませんでした。血球回復の兆候すらなくて心が折れました。のんびり骨髄にはうんざり。

まあ、さすがに今週のどこかで退院できると思います。先生もそう言ってました。期待せず待ちます。と言いながら心のどこかで明日の採血に期待してしまってるんですが。

週報 - 早期強化療法インターバル①

検査・治療

wk9の予定だったけどほぼ休止になりました

投薬

  • day56+1〜56+7 ロイケリン内服
    • これだけは4週間完遂

その他

  • day56+2 PLT輸血
  • day56+5 胸部・腹部CT
  • day56+6 腹部エコー
  • day56+7 RBC輸血 , PLT輸血

治療経過

  • 以下の2つの理由からwk9は開始せず、ロイケリンを除いて休薬
    • 白血球数が治療開始基準(WBC>500/μL)に満たないこと
    • ロイナーゼのせいで脂肪肝がみられること
  • 小児レジメンなので22歳にはきつい治療。4週間の治療を完遂できないのは想定の範囲内
  • 血球回復を待って一時退院を挟む
    • 年明けあたりから1週間程度取れそう(あくまで見込み)
    • 一昨日 (day56+7)の時点では全然回復してなかった。明日また採血あり
  • 再入院後、wk9-10の治療を行うか、もしくはスキップして次の治療フェーズ「強化療法」へ

体調

day55*1+7 から、全体的に体調かなり良くなった。薬が抜けてきたんだと思う

  • 睡眠:前半、寝ても寝ても眠かった。後半は普通
  • 頭痛:ほぼなくなったと言っていい
  • 吐気:前半はひどい時もあった。後半は一定して軽く、吐きどめも飲んでない
  • 食事:前半、吐気がひどい日は病院食5割程度で、他にカステラとか食べやすいもの食べた。後半は食欲旺盛
  • 味覚:いたって正常
  • 便通:正常〜固め
  • その他
    • 脂肪肝。自覚とかはない
    • ノバミンで不安焦燥感?吐き気もおさまってきたのでやめてみた

雑記

  • 論文は明日読み終わる予定
  • 一時退院の計画を立案中。あれも食べたいこれも食べたい
  • 明日は年越しそば、三ヶ日は雑煮や祝重(何それ)が出るらしい

お知らせ

今まで何度か入院はしてきましたが、病院で年を越すのは初めてです。年越しの瞬間はどう過ごすかわかりませんが、あんま盛り上がってなければ寝ます笑

2年連続*2で家族と年越しできないのは残念だけれど、いろんな店が休業している年末年始を避けて一時退院できるのは、選択肢が広まるのでむしろいいかなとも思っています。

2018年を生き通せたことだけで十分幸せです。医学の進歩とそれを支える人たちに感謝してもしきれません。

皆様どうか健康に、よいお年をお迎えください。

*1:キロサイド最終投与日

*2:昨年は旅の都合で山口県で年越しした

寛解導入療法まとめ

概要

4週間にわたる多剤併用化学療法により、白血病細胞が見かけ上いなくなる「完全寛解」を目指す治療フェーズ

(2018年10月23日〜11月21日)

血液

  • 表中の色つきセルは、輸血等が必要な値に達している箇所 (当日に輸血等実施)
    • HGB < 7.0
    • PLT < 20
    • AT3 < 70

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寛解導入療法

腎機能

  • CRE範囲 = 0.49〜0.77 (mg/dL)

肝機能

  • AST/GOT最高値 = 105 (U/L) [day20]
  • ALT/GPT最高値 = 179 (U/L) [day21]
  • γ-GTP最高値 = 156 (U/L) [day37]

投薬

  • 表中の数字は、その薬剤の各週の投与day
  • dayと実際の日付の対応は「血液」の表を参照
week DEX VCR DNR L-ASP TIT
wk2 (day8-14) 8〜14 8 8 12 12
wk3 (day15-21) - 15 15 15 18 21 -
wk4 (day22-28) 22〜28 22 22 24 27 -
wk5 (day29-37) 29〜37 29 29 30 33 33
  • DEX = デキサメタゾン = デカドロン

    • day 8〜14: 8.25mg/㎡, DIV*1(0.5H×3)*2
    • day22〜28: 10mg/㎡, PO*3
    • day29〜31: 5mg/㎡, PO
    • day32〜34: 2.5mg/㎡, PO
    • day34〜37: 1.25mg/㎡, PO
  • VCR = ビンクリスチン = オンコビン

    • 1.5mg/㎡
    • DIV(0.1H)
  • DNR = ダウノルビシン = ダウノマイシン
    • 30mg/㎡
    • DIV(1H)
  • L-ASP = L-アスパラギナーゼ = ロイナーゼ
    • 5000U/㎡
    • DIV(1H)
  • TIT = Triple Intrathecal Therapy = 三者髄注

経過・できごと

  • day33 きょうだいのHLA検査してもらった
    • 結果は1週間くらいでわかった。ハプロ一致だったので第一のドナー選択肢にはならない
  • day37+5 (VCR, DNR最終投与日の13日後) に血球回復兆候確認
    • 翌日より3泊4日で一時退院
    • NEUT=230だったがRETI*4が十分に増えていたのでOKが出た

体調変化 (辛かった順)

  • 頭痛
    • wk2 day12 (ロイナーゼ初回投与日)より、日によって程度は変化するがほぼ毎日あった
    • 後半は特に電子機器の使用で頭痛が増す印象
    • 氷枕とカロナールで対策
    • ロイナーゼの影響とずっと思っていたが、ただの緊張性頭痛だった
      • のちに、「頭痛体操」(首や肩のコリをほぐす運動)やマッサージチェアを使ってすっかり治った
      • 体をほぐしましょう!
  • 吐気
    • wk2 day13より、ステロイドがない時を中心に発現
    • 食事に支障はなかった
  • 味覚障害
    • wk5あたりで発現し、1週間したら戻っていた
    • 塩味に鈍感になったり酸味に敏感になったり
    • 特にトマトの酸味が強調されることがあった
    • 口の中が常に酸っぱい感じ
    • 別の味になる程の大きなものはなかった
  • 末梢神経障害
    • 手足のしびれ
      • 特に指の第一関節より先
    • wk5 day31より発現し、以後ずっと続いた
    • 手先を使った作業に支障はないが物を落とすことが多くなった
      • 携帯電話とかしょっちゅう落とすので、ストラップをつけるのがオススメ
  • 便秘
    • wk2 day9 (オンコビン投与日翌日) より発現
    • 十分な水分摂取とマグミットの服用でわりとすぐ改善
  • 脱毛
    • このフェーズでは大して抜けなかった

感想

このフェーズで初めて抗がん剤を経験した。

しかし、一番悩まされた頭痛が、のちに薬剤由来のものではないと知った時は拍子抜けした。不調が出ても、副作用と決めつけずに、医師や看護師に相談したり、できることを試したりするのが大切。

頭痛を除けば、吐気や味覚障害もあれど軽度で、楽な経過で切り抜けられたと思う。熱も一度も出なかった。

病院の時間の流れは早く、あっという間に終わったという印象。

*1:点滴静脈注射

*2:「1日に0.5時間点滴を3回」の意

*3:経口投与。つまり飲み薬

*4:網赤血球。赤血球の赤ちゃんみたいなもの。造血能回復の指標になる

先行治療相まとめ

概要

1週間(wk1)のステロイド投与により、白血病細胞を減らすとともに、ステロイドに対する反応性を確かめて今後の治療方針の参考とする、初回治療フェーズ

(2018年10月16日〜2018年10月22日)

投薬

表中の数字は、その薬剤の各週の投与day

(week) PSL
wk1 (day1-7) 1-7

体調変化

特になし。強いて言えば食欲が増したことくらい

血液検査

できごと

なし

感想

はじめのはじめで、まだ白血病について何にもわかってなかった頃。体調に問題はなかったのでひたすら病気や治療について調べてた。 数多くの検査のほか、バイト先や大学への連絡等もあり、忙しかった。

*1:静脈注射。つまり点滴